プロジェクト

機械の振動騒音の解析と対策

 機械とは動力源を持って有用な仕事をするものである。したがって稼働部品を必ず持つため、機械は振動や騒音を発生することが多い。機械のどの部分に大きな振動が発生するか、またどのような振動現象が発生するか、これらを予想するための振動解析を行っている。この結果から振動によって発生する騒音も予想することができる。一方、既存の機械に発生する振動を抑制することも重要な技術であり、動吸振器やインパクトダンパなど制振のための新たな機器を研究開発している。下図はインパクトダンパによる制振の状況を示したものであり,インパクトダンパを設置した方が早く振動が収束していることがわかる。

3次元環境認識を用いたロボットの高機能化

 ロボットの代表的な作業として物体をある場所から別の場所へ移動させるピック&プレース作業がある。これまでロボットは主に生産現場にて発展を遂げてきたが、今後は家庭内にロボットが進出することが考えられる。しかしながら、家庭内においては作業の対象となる様々な物体が不特定な場所に雑多に置かれている場合が多く、作業を実現するにはロボットの周囲の環境および作業対象の認識をすることが必要となる。人間はそれまでの経験により素早く周囲の環境の認識を可能としているが、ロボットにはそれが難しい。このため、ロボットの周囲の環境の3次元情報を取得し、作業対象の認識およびロボットの動作計画を行い、様々な環境における作業を実現している。

パワーアシスト機器の開発

 重量物を扱う作業は作業者への負担が大きく、中でも腰痛は国民病と言っても良いぐらいに多くの人々の問題となっている。腰椎を含めた脊柱は多くの骨が繋がった構造をしており、作業姿勢によってはその一部に負荷が集中することで腰痛を起こしてしまう。背中の筋肉で上体を支えるのではなく、ハムストリングスおよび臀部の筋肉で上体を支えることでかなりの重量を扱うことが可能ではあるが、意識的にその作業姿勢をとる必要があるため慣れが必要となる。このことから、腰に負担のかからない作業姿勢に誘導する機構を加えた腰部パワーアシスト機器の開発を行っている。