エネルギ・環境部門プロジェクト

溶融マグマからの熱抽出

 同軸型熱交換器をマグマだまりに挿入し、2成分水溶液(疑似マグマ)から熱抽出を行うときの、円筒形熱交換器まわりの凝固融解現象についての可視化実験を以下の図に示す。熱交換器まわりの凝固が進行することにより、凝固層から溶質が排出され、マグマだまり内の濃度が変化する。このためマグマだまり内に溶質濃度の不連続面が発生し、下方部分で高濃度による凝固点降下が起こり、融解が発生する。多成分系のマグマだまりからの熱抽出においては、このような溶融層の分化が発生する。























地下構造物からの放熱現象

 地下空間の開発と利用は、都市部で著しく進行している。地下空間環境を設計する上で最も重要な要素の一つが、空間の温度制御である。そのためには、地下構造物から地下水の飽和層または不飽和層への放熱過程の解明が不可欠となる。ここでは、加熱円柱を例にとり、飽和と不飽和層が混在している場合の放熱過程について解明した。以下の例では加熱円柱が飽和層の中にあり、上方の有限の距離に不飽和層が存在している。一般に、地下水流速が大きければ、加熱円柱周りの温度境界層が薄いために不飽和層の存在を無視することができる。それに対して地下水流速が遅い場合は、熱の移動は拡散が支配的になり、飽和層と不飽和層の両者を考慮する必要がある。

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