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STUDENTS

生産システム科学部2年 今村朱里

SECTION1

はじめに

  • 令和5年度の産官学合同シリコンバレー研修は、8月20 日から8月26日に行われた。 この研修の目的は企業・行政が提起する課題について、シリコンバレーという地域で企業・行政と学生が共に調査し、課題解決の糸口を見出すことである。この目的を達成するため、シリコンバレーを本拠地とする企業や大学を視察訪問し、起業家などあらゆる分野で活躍する日本人による講義を受けた。 この報告書では、私が研修の参加動機を挙げたのち、私が挑んだ地域課題、研修で実際に訪れた場所とその場所で得た気づきを報告する。また、私自身の今後の目標について述べる。

SECTION2

研修に参加した動機

  • この研修に参加した動機は主に2つある。1つ目は、創造性を引き出す考え方に触れたい、2つ目は作られている製品を実際にみたいということだ。 シリコンバレーというアメリカの地域は、Apple 社やGoogle 社など世界最先端のソフトウェアやインターネット関連会社が集まり日々新しい技術が開発されている。そこで、日本にはない技術や、職場や学校などの環境、考え方の違いを知ることができると考えたからだ。

SECTION3

取り組んだ課題・現地での調査方法

  • 私は、小松市役所の方と大学院生2名、教員1名と共に小松市の観光を課題とし、 「デジタル技術を活用した観光振興」というテーマで取り組んだ。 課題を解決する方法を考えるために、研修では訪問先の現地の方に観光についてのアンケートを依頼し、結果をもとに観光時に必要とされることを分析した。 アンケート内容は、観光の準備、観光の困りごと、使用する金額等の全6項目である。私たちが旅行する際、ホテルの予約や目的地などを下調べするという旅マエという行動をとることから、それについての質問をした。 調査を行った訪問先は次の3つである。 1)スタンフォード大学
    2人あるいはグループで休憩している人たちに主に依頼した。
    2)Pire39
    観光客の方々に依頼したが、英語圏以外の方も多く、そもそも言語が通じないことが多かった。また、スタンフォード大学よりも、断られることが多かった。
    3)ジャパンタウン
    建物の中の机で休んでいる人たち約12人に依頼した。今までの依頼から、集団かつ私と同じ性別、年代の人だと答えてくれやすいことが分かった。よって、そのような人たちを中心に話しかけた。すると、驚くことに依頼した方すべて答えていただいた。質問に答えてくださっている最中に日本に行ったことがあるか聞いてみると、1つの集団のうち半分の人が行ったことがあると分かった。ジャパンタウンにいる人たちはアンケート依頼しやすいことが分かった。 上記の3つの訪問先でのアンケート結果から、旅行中での困りごと、あったらいいもの について中心に統計をだし、小松市の旅行の際にあったら便利なサービスについて考えた。 皆で話し合った結果、小松市の現状として一日乗車券を購入できる場所が少なく、よく混雑していることがあげられた。この状況を解決し、路面バス1日乗車券利用簡便化を行うために、乗車券をスマートフォンで購入を行えるようにし、簡易的な発券機をバス停に設置してクレカさえあれば購入可能にすることを提案した。





SECTION4

研修中に学んだこと

  • また、研修中に現地の企業で活躍されているかたの講義を受けた。これからApple 社とみずほ銀行の方の2つの講義から学んだことについて述べる。
    1)みずほ銀行 植松氏の講義
    まず、みずほ銀行の植松氏の講義を聞いた。講義で一番心に残っている言葉は、Everything break through idea looks stupid. という言葉だ。これは、ベンチャーキャピタリストベン・ホロウィッツさんの言葉で、画期的なアイデアは愚かに見えるという意味だ。この言葉から、起業し最後まで生き残り成功するのは、他人に愚かだと言われようとあきらめずやり遂げた人であるということを学んだ。 また、一見既存の企業は成功していてもイノベーションのジレンマにより倒産する可能性があるため、安定志向が必ずしもいいことではないと分かった。このことから、これから就職とき安全さを求めるのではなく、自分自身が成長できる環境に身を置くことが賢明だということを学んだ。 そして、具体的に企業が成長するにはデザイン思考の考え方をもつことが重要だと分かった。デザイン思考は、人々のニーズの観察に基づいて課題を定義し、そのうえでアイデア出し、試作、テストまでの一連の流れを行う課題解決の考え方である。このとき、ものよりコト、体験、価値観など人間中心にアプローチすることが必要だと分かった。
    2)Apple 本社
    次に、Apple 社で働いている日本人の方にお話をきいた。お話の中で印象に残ったことをいくつかあげる。 一つ目は、日本は一度企業に入ったら転職しにくいが、アメリカは今の職場が嫌だったらやめ、いい職を求めて転職することは普通だということだ。そのために、企業側は優秀な人材をとどめるために職場環境を整えることが分かった。このことはGoogle 本社に訪れたときも感じた。Google には、ビーチバレー場があって、そのほかにも社員ための施設や福利厚生が充実しているらしい。 二つ目は、会社はその土地の文化、リーダーのビジョン、チームの質、産業 形態がよければ生き残ることだ。リーダーについては、研修中に行われた交流会で会社の社長に話を聞いた時も大切だと思った。リーダーは会社を映すため、リーダーは常にビジョンを持ち続け前向きでいなければならないことが分かった。 三つ目は、今私たちが働くために必要なことについてだ。一つ目は、自分の分野の技術、ものを考える能力、コミュ力をつけることだ。2つ目は小さな批判や反対にいちいち気にしない精神をつけることだ。駄目だと言われるのは前例がないからなので、自分がやりたいと思うことはまず行動に移すことが重要だと知った。そして、世界をよりよくする前に自分を幸せにすることが大切だと分かった。

SECTION5

研修を通して得られた今後の目標

  • 約1週間の研修を通して、主に2つの目標を得た。 1つ目は、失敗を恐れず自分自身が興味のある物事に打ち込むということだ。今まで私は、何かをやろうと思ってもリスクや失敗したときのことを考えて動き出すことが難しかった。しかし、研修を通して成功は失敗なしで生まれず、あきらめないことが大切だということが分かった。これから、やりたいと思ったことがあればまず行動に移すことを意識しようと思う。 2つ目は、大学院に行って専門性を高めたいということだ。そう思った理由は、同じ班で過ごした大学院の方々に憧れを抱いたからだ。あこがれを持った理由は、何気なく街中を歩いているときも、専門分野のことについて私が気づかないような細かい日本とアメリカの違いに気づいているところを見て素晴らしいと思ったからだ。また、プレゼン準備から発表まで手慣れた姿をみて、これは研究発表の経験を積んでいるからだと知り、私も先輩たちのように自分が行った研究を発表する経験を積みたいと思ったからである。そのため、大学で学んでいることをきちんと身に着けていきたいと思った。 また、大学内でもっと学年を超えた縦の交流があれば、私のように夢が見つかり、情報共有してより夢の実現に近づける第一歩になると感じたので、そういう場に参加したいと思ったし、作っていきたいとも思った。

SECTION5

最後に

  • この報告書では、研修中で取り組んだ地域課題解決のための活動、学んだこと、今後の目標について述べた。研修後も、研修で得られた繋がりを大切にして自分自身の目標にむかって努めていきたい。 最後に、シリコンバレーでお会いした方々、また小松市役所、企業、大学の職員の方や大学院、学部生の方々、研修前から大変お世話になりました。